大曲動物病院

北海道北広島市大曲中央3丁目2番地1   Tel & Fax (011)377-2020
北広島西郵便局の真向かいです

前院長より飼い主の皆様へ

院長写真

この写真は前院長家の愛猫ミータンです。
1998年の開院間もないころ、あごが割れ、骨盤を骨折した状態で運ばれて来ました。
3度の大手術を乗り越え、様々な縁があって前院長家の一員になりました。
外と人が大嫌いで前院長宅から一歩も出ず、来客があると押入れに隠れて出てきませんでした。
前院長とその家族だけは例外で、そばに寄添いおしゃべりしていました。
2011年にその生涯を閉じました。「ペットが生活の伴侶である」ことを教えてくれた大切な存在です。


病院に見学に来た小学生から質問が届きました。よく大人の人にも訊かれるような内容なので、この場をお借りして紹介させて頂くことにしました。

獣医はどんなお仕事ですか?

獣医師の資格で働いている人がいるのは、牛豚鶏などの産業動物の診療、犬猫などのペットの診療、人の保健衛生、食品とか薬品会社の研究員などが多いです。資格は必要ありませんが、家畜の生産,教員など専門知識を活かした職についている人もいます。まったく専門知識と無関係な、広告会社の社長になっている同級生もいます。

獣医になるまで苦労したことは何ですか?

数学・物理が得意分野だったので,生物・化学の勉強が難しかった。 しかし、この分野も高度になると、数学・物理のやり方が役に立つことが多くなります。 たとえば,選挙の当落予想とか台風の進路予想に統計学の方法が使われますが,この統計学は,実は農作物の栽培研究から始まったものです。

獣医になって一番苦労したことは何ですか?

言葉を話したり,聞いたりできない動物の診療は,大変難しいです。異常の状態を見つけ出すのも、動きをおさえることも、薬を飲ませることも、人のようにはいきません。かんだり、ひっかいたりする子も多い。歯の治療も麻酔が必要になる場合がほとんどです。 急病は診療時間外に起きる場合もよくあり、夜中に起こされることが続き,睡眠不足なったこともあります。夜中に緊急手術をしなければ,死ぬ恐れのあるのを,手術を終えたら、朝の診療開始時刻だったこともあります。大変なこともありますが、生物 特に動物は、大変複雑な仕組みが働いているので、やりがいのある仕事だと思っています。二人も生物に興味を持って、勉強することを期待しています。獣医になるには,すべての科目の勉強が役に立ちます。

薬はこの病院で作っているのですか?

人の病院でも,多くの薬は、専門メーカーの作ったものを用いています。薬剤師という専門職の人が薬を用意する形が多くなっています。医師と薬剤師の仕事を分ける医薬分業が進められているからです。動物病院での医薬分業は,まだされていません

水族館のイルカなどの動物の病気を治したことはありますか?

水族館の動物では、したことはありません。養殖魚の治療・研究はあります。水族館に就職した獣医師,水産学部で魚病を学んだ方がされていると,聞いてます。

獣医師は動物園の動物を,検査したり手術したりするのですか?

動物園にも多くの獣医師がいて、診療に当たっています。北海道獣医師会の名簿では,円山4名、旭川3名,帯広2名の獣医師が載っています。園長が獣医師の動物園も多いです。

獣医師になるために大切なことは、何ですか?

動物は,複雑な仕組みで生命活動をしています。ですから,柔軟で幅広い見方が大切です。どんな分野でもいえることでですが、診療に当たるには特に大切です。自然についても,社会活動にも,興味と知識を豊富に持っている人が向いています。

〝獣医師になってよかったな〝と思ったことは何ですか?

病気などの原因がわかり、それに向いた治療効果が出たときです。逆に,原因がはっきりせず、なかなか治らないときは、こちらが病気になりそうになります。

獣医師になるには、全種類の動物を勉強するのですか?

哺乳類・鳥類・爬虫類・魚類について勉強します。しかし、種類が多いのでとても全種類はできません。動物には共通の性質があり、全種類をやらなくとも理解し対応できることがたくさんあります。魚は、我々のように水状のおしっこをしていると思いますか?実は、魚も鳥も尿酸塩という練り状のもので出しています。

獣医師は、検査や手術などに、どんなことに気をつけていますか?

見たり(視診)、聞いたり(聴診)、たたいたり(打診)、圧したり(圧診)などの検査が大事です。便利な用具がたくさん出てきて、体の中の様子が見ることができたり、血液などの成分を、短時間で、簡単に分析できるようになりました。死体は病気にならない。生きているから異常が出てくるので、生きている状態をしっかり調べてから、用具による検査を、的をしぼってするようにしています。手術では、思いがけないことがおこることがあります。手術前によく調べて、手順などを思い描いておくようにしています。

なぜこの職業に入ろうと思ったのですか?

正直言って、獣医学部に入ったのは、なんとなくでした。国立大学で獣医学部はここだけでした。学問の分野で偉大な先生達ばかりでした。さらに、この分野の事をあまり知らない学生達に、親身で応じてくれました。そのため、多くの同級生は誇りを持って勉強するようになりました。世界的にも名の高い研究者になった同級生も多いです。私は、民間会社の研究所で、動物の研究をしていましたが、会社のわくの中では、あき足らなく、自分で病院を開くことにしました。

獣医師になるとき、家畜と犬の獣医師は勉強などがちがうのですか。

獣医師の国家試験では、その区別はありません。選択問題で得意な問題を選ぶということはありますが。ですから、授業科目は全員同じです。医師の国家試験も同様のようです。6年間の在学中、4年生あたりから、専門の教室に所属して、授業の合間とか放課後に、研究の手伝いとか指導を受ける人が多いです。

獣医師になるときに大変なことは何ですか?

大学入試の難しさ。費用がかかる(6年在学・専門書が高い)。国家試験にパスしなければ獣医師になれない。などでしょうか?最後に私の同級生33名のうち、半分近くが道産子でした。女性はいませんでした。いまは女性のほうが多く、道産子は1割もいません。道産子のあなたたち二人が、がんばって入学し、優秀な獣医師になってくれれば、ここまで書いたことがむくわれます。